日本の医療機関、高等教育機関、大手企業、地方自治体、いろいろなところで、システムを丸投げし、自分たちの市、会社、病院、大学の業務フローをそのまま仕様に落とし込んだカスタムのシステムが多く導入されてきました。いわゆるSIベンダーに丸投げし、高額な費用をかけて構築し、保守運用もこれらのベンダーが居なければなにも回っていかない状態を作り出してきたのは皆さんの良くご存じの事実だと思います。結果としてシステム全体のコストが増大し、高額なシステムになっています。ベンダーもこれらのシステムを維持するために多大な工数を使っており、必ずしも法外な費用をとっているわけでもありません。
本来は業界団体が全体で使える標準システムなどを構築するべきだったのですが、残念ながら、顧客側にちゃんとしたIT部門が無いために政府がやっと標準化に向けて動き出したのが現実だと思います。本来、API連携で柔軟にシステムが組める構成にすべきなのだと思います。
欧州、北米で実際に働いた私の経験では、海外では企業の中にMIS部門があり、自社のシステムについて設計、導入、保守を行う部門があります。彼らが基本設計をするため、丸投げでシステムを外注するということはあまり起こりません。丸投げするにしても、仕様をきっちり作りこみ、使用するソフトウエアもほぼすべて決めてしまいます。結果としてベンダーロックインというよりも設計パートナーという位置づけにIT業者がなる場合が多く見受けられます。
事務機業界の現状
プリンタや複合機に関しても同様のベンダーロックインは起こっており、すべて自社のシステムで構築すれば、ご要望にすべて応えられますよ。ということで、自社パッケージの開発に余念がないのが現状です。確かに、保守を含めてきっちり運用してもらえるのは大きな価値であり、非常に有用なサービスではありますが、以下の問題を抱えます。
- システムは使い勝手や自社のワークフローにも影響するため、他のシステムの替えづらくなる。
- IT技術の進歩は非常に早く、5年のリース中に良いものがどんどん出てくるのに入れられない。
- 更新時期が来ても相変わらずの古いアーキテクチャの製品のアップグレード版しか入れられない可能性がある。
- 他社に変更でにないため、割高なプリント費用を支払い続けなければならない可能性がある。
- システム連携が出来なくなるため、本来なら小型のレーザープリンタで間に合うのに大きな複合機を利用することになる。
上記の不都合な点を許容すれば、ワンストップでサービスを行ってくれる事務機会社は非常に良いパートナーとなります。業者を選定する場合、「どこが一番良いパートナーと成りうるのか?」という観点で業者選定をしていくことが重要です。
マルチベンダーツールを入れた場合
例えばプリント管理ツールとしてマルチベンダ対応の製品を入れた場合、プリンタは単なる入出力端末と位置付け、最も性能が良く、価格も適性なベンダーから購入することが出来るようになりますし、サーバー側でAPI連携などを駆使し、最新のシステムと連携できるようになりますが以下の懸念点が残ります。
- マルチベンダと言ってもプリンタメーカー並みの保守が受けられるのか。
- どこがプリンタの不具合について窓口一つで対応してもらえるのだろうか。
COSY社では事務機と連携できる、マルチベンダツールを中心に商品、サービスを展開していますが、以下のような連携を取ることにより、懸念点を払拭しながら、柔軟に最新システムが導入できる体制を作っています。
- 事務機メーカーが導入する場合、プリンタ、複合機もCOSYのソフトもまとめて導入
- SIベンダーが導入する場合、メーカー、COSYが協力体制を敷いて、SIベンダーが一時窓口の体制をとる
- システムの関する情報をCOSYから発信