COSYは女性比率60%、女性管理職比率50%、退職した人もいますが、外国人も今まで6カ国から採用してきました。外国人には日本語学校へ行ってもらい、日々自己研鑽してもらっています。

年齢も20代、30代が多く、少し若年層に偏っていますが、比較的人材の多様性は高いと考えています。仕事内容としてはIT系ですが、前職や専攻でITに携わっていた人はごく一部です。COSYに来て初めてサーバーシステムに触った人がほとんどです。英語に関してはTOEIC900級の人も何人かいる一方であまり得意ではない人もいます。でも、海外企業となんとかやり取りしています。

給与システムは基本的には職能制に近い方式を取っており、年功の部分もあります。実績や貢献度に関しては基本的には賞与で還元する方式を取っています。しかしながら、試行錯誤状態ではあります。

現在、素人集団が日々研鑽しながら、OJTを通してスキルを上げつつ、なんとか回しているという状態です。大企業のように、学業に優れた優等生を人事部がちゃんと教育するという環境とは異なる状態です。短期間で社員のスキルをあげるにはどうすれば良いのか、これは永遠の課題です。

最近、同志社大学の太田肇先生の「自営型で働く時代」という本を読みました。ジョブ型雇用がいかに日本にそぐわないか、なかなか的を得ていました。結局日本では解雇規制が厳しすぎて、職種別の人材市場が構成しにくいということに尽きるかと言う事だと思います。解雇できないし、社員も転職しようと思わないので、やりたい職種でスキルを磨くことが出来ない。仕事は上から降ってくるので、選んでいられない。まあ、いろいろあります。アメリカではジョブ型雇用が一般的と言われていますが、私もその弊害は見てきました。他人の足を踏むなというやつで、守備範囲外のことをやらないし、できない。

一方でアメリカでもベンチャー企業では、創業メンバーは必然的に何でもやらなければならないし、はっきり言って何でもする状態です。しかも楽しそうに。要するに一人ひとりが自営業的に働いているんだと思います。自分の業務は自分がボスで自分が采配してやりきる。そんな感覚です。取引先の技術担当副社長は一緒に開発中の機械をかついで、放射ノイズ測定サイトまで一緒に行って、実験を手伝ってくれるし、自分が良いと考えることは自分の裁量でやってしまう。そんな働き方をしていました。まさに自営型働き方です。

多くの日本人は職人気質の人が多く、実は一つのことを自分の思うように、他人に煩わされずにやる。と言うのが向いているような気がします。一時、セル生産という生産方式が成果を上げていると聞いたことがあります。カメラ一台を一人で組み立てる。その製品に関してはすべて作業者の責任であり、大変な一方でやりがいも出てきます。

自社の組織、働き方をどう設計して行くか、永遠の課題です。