Youtube の番組で藻谷浩介さんが言っていました。山もない、釣りのできる海もない、ゴルフ場もない東京の港区に大金を払って億ションに住んでるの?住環境、最悪じゃない?東京でしか出来ない仕事をやっている時点で終わってない?というようなことを言っていました。ビッグビジネスを追いかけるビジネスマンなら経済の中心である東京に住まなければならないのはわからないでも無いですが、普通にサラリーマンをするために東京に住む意味がどこにあるだろうと良く考えます。

東京でしか出来ないといった時点で世界中の名だたるビッグビジネスが東京以外でビジネスをやっていることを考えると、たしかにおかしい。大都会でなければ?という言葉に置換えてもなにやらおかしい。春にスイスのネスレの本社を山の上から見る機会がありました。レマン湖のほとり、社屋の前には湖に面した芝生の中に椅子、テーブルが配置され、社員がくつろげるようになっていました。ようするに彼らはどこに本社があっても、ビッグビジネスが展開できる実力を持っているということです。それなら環境の良いところに会社はあるべきだ。それだけだと思います。アメリカでも昔良く出張で行っていたコロラドのボールダー市、当時IBMのプリンター部門がありましたが、この地はロッキー山脈の登山拠点、山岳リゾートにも近く、非常に住環境の良いところです。こういうところに世界の名だたる大企業がオフィスを構えています。

ちなみにネスレの日本支社は神戸にあります。ネスレが神戸にある最大の理由はそこにCanadian Academy があること、自然があり、外国人が安心して住める住宅があること。六甲山登山は神戸に住んだ外国人が広めた習慣と聞いています。つまり、自然と共存し、国際的な教育が受けられる場所として神戸が最適とネスレは判断したのだと思います。

以前、四国の神山町の方が言われていました。一日オフィスから出ずに仕事している人が東京にはたくさんいるけど、オフィスが出ないのなら四国でもいいんじゃないの?ということです。

我が国は大企業の大半が東京に集中しており、サラリーマンになるため、毎年多くの人が東京に引っ越して行きます。神戸地区の大学生も卒業すると多くが東京へ行ってしまいます。サラリーマンになるために。。。。恐ろしいことですね。多くの人は東京でサラリーマンになり、一生高い家賃を払い、狭い住宅にすむことになります。中には無理して1億円もするマンションを買ったりする人も居ます。子供は怖くて公立学校へ入れられないので私立の中高一貫校へ行かせたい。遊べる海も山も無いから習い事に行かせる。こんなことをやっていたら莫大なお金がかかります。その分東京は給料が高いので良い。。。ほんと?まかないきれる?その分犠牲にしなければならないことも多いのでは?痛勤電車とか。

ビッグビジネスをやっている大物は東京港区に住んでがんがん稼げば良いと思います。そのために東京じゃなきゃダメだ。と言うのなら、お金を使って快適化を図れば良いと思います。地方でもビッグビジネスをやっていれば東京にしかないところで遊びたいなら飛行機に飛び乗れば簡単に東京に行けます。

一般のサラリーマンはどうでしょう。私も5年ほど東京の丸の内で企業の管理職をやっていましたが、何が理由で東京に住んでいるのかよくわからない状態でした。結局東京では電車通勤が嫌で、無けなしの給料から高い家賃を払い、会社に歩いて行ける千代田区のマンションに引っ越しました。確かに皇居に散歩に行ったり、面倒ならタクシーに乗れば良いし、飲み会も終電を気にしなくても良い、痛勤電車も乗らなくて良くなったのですが、管理職なので、ほぼ、会社に行ったら事務所にいるか、八王子の自社事業所へ行くだけ。出張と言っても海外なので、空港が近くにあれば問題無いってことを考えると、先進国では当たり前の普通の生活を実現するためには東京では膨大な出費が発生するということに気が付きました。

会社さえ、東京ではなく、例えば自然豊かな長野県なんかにあればなあ。と思ったりしました。地方に行くとこれらの問題は一気に解決します。EPSONなんかは本社は長野県、出張用にプライベートジェットまで持っていると聞いています。要するに彼らはどこに本社があっても世界レベルで戦えるということです。昔のミノルタもそうでした。売上の80%以上が海外なんだから、大阪に本社があって何が悪い。という感覚でした。

良く、テレビなどで、地方は何も面白いものがない、東京はコンビニもスタバもユニクロでも何でもある、電車、地下鉄でどこでも行ける。と言う人が居ます。確かにロレックス、ルイビトンなど、高級品は東京のお店に行かなければ品揃えがあまり無いということはあるんですが、毎週ロレックスやビトンに行く人はあんまり居ません。

地方都市はどうでしょう。車が有れば自分が行きたいところに待ち時間無しで行ける。時間調整も車でコンビニで買ったコーヒーを飲みながら取引先の近くの駐車場でのんびりできる。腹が減ったらコメダコーヒーへ行って車を止めて軽食を食べる。その間メールをチェック、取引先に電話で仕事を片付ける。夕方になったら、海岸に行ってトランクから釣竿を出して、30分ほど釣りをして、腹が減ったらお家に帰る。これが普通の生活です。土日はゴルフに行きたければ車で30分のゴルフ場で友人と待ち合わせ、子供は普通に安全な公立校で友達と遊んでいる。給料も東京で普通の生活をするために支払わなければならない、さまざまなコストを差し引くと多少給料が安くても実質生活はあまりかわらない。(COSYの支店がある三原市ではこれが実態です。神戸もあまり変わりません)

藻谷さんは言っていました、東京に住まなければならない理由は東京に住んでいるという見栄だけ。

有名な大企業で働いている、東京都内で働いている。という見栄に価値を見出す人以外はあまり東京に住む意味は無いのではと思います。東京というブランドの一部に自分はなる。という人。

最近、東京の取引先の社長に言われました。神戸に本社はあるのは人材採用には有利なんじゃない?東京は人がとれてもろくな人が来ないよ。

そなんです。COSYでは実質価値を重視する、本当の意味でのワークライフバランスをとっていきたい優秀な地元民を採用したいのです。東京はあまりにも経済中心に動いている。そういう意味では神戸はバランスのとれた街だと思います。コンビニもユニクロもスタバまであります。三宮の中心街から15分電車に乗れば須磨海外の砂浜の真ん前の駅に到着します。会社から釣竿をかついで電車に乗れば、すぐ夕方釣りが出来ます。

私自身も今度はどこに住もうかと、いろいろ画策する昨今です。まあ、神戸でも悪くないか~。

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