社長の森川です。

私は20代、就職数年後、留学、30代、ヨーロッパ、アメリカのシリコンバレーでエンジニアとして働いてきました。帰国後、大学院MBAを修了し、46歳の時にCOSYを起業しました。

日本のサラリーマンの働き方に非常に違和感を持っているのはもちろん私だけではないと思います。私なりの意見を書いてみます。

なんか変だよ日本のサラリーマン

一般的に言われるように、日本は会社に就職するのが社会人になること。と考えられていますが、海外、特にアメリカでは、まさに職業に就職するという概念が強いのが普通です。エンジニアであればその技術分野でトップクラスの技術を習得し、より良い職場で働く、やりがいのある職場で働くことを目指します。もし、そういう会社が無ければ自分で起業します。マーケティングを専門とするなら、マーケティングのできる会社を選びます。途中で独学で勉強、受験し、MBAを修了するビジネスマンも多くいます。手に職をつけて、より意義のある人生を送るために就職する。これが就職活動です。

上記の目的を達成するために、アメリカでは多くのエンジニアが仕事が終わった後、大学のExtention courceで学んでいます。夜間に大学院に行く人も多くいます。その代わり、会社で仕事をしている間は仕事に集中し、効率よく定時に終わらせ、勉学や技術習得にいそしみます。私も仕事が終わった後、大学や地元のカレッジに通っていました。クラスメイトは会社で授業料を出してもらっている人、自腹で負担している人、さまざまでした。アメリカで社員を採用するため、何十人も面接しましたが、給料よりも、何をさせてもらえるのか、キャリア形成に重点を置いた質問が多かったと記憶しています。

そもそもExempt社員にとって定時という概念はありません。正社員という概念も日本とアメリカで異なります。ただ、正しい社員(正社員)と正しくない社員(非正規社員)いう概念は存在しません。だれもが雇用労働者でプロフェッショナルのExemptとNon-exemptがあるだけです。通常、大卒の社員はExemptのプロフェッショナルをめざします。

日本の会社員は30代以降、実力が下がる傾向があるといわれています。残業が多すぎて勉強する時間が無いからというのと、終身雇用なので、勉強する必要が無いという理由もあるようです。

残念ながら自分から進んで自分の未来のために猛勉強しているアメリカの会社員と終身雇用にあぐらをかいて、勉強しない日本の会社員が、10年後、どれだけ差がつくか、明白です。日本の国力がアメリカと比べて生産性が著しく落ちている理由がこの問題だと思います。私がアメリカで働いていた20年前の中堅エンジニアの年収はおよそ500万円から800万円でした。(日本とアメリカではほぼ同じくらいでいした。)今では1400万円から2000万円程度かと思います。

大企業できっちりした教育プログラムを提供しているような会社に就職できれば、それが望ましいですが、定年までそこに居ることができるかどうかはだれもわかりません。自分の未来のためにプロになる。これがこれからの社会を生き抜いていく力だと思います。

仕事を通じて自分のスキルを上げ、その道のプロになる。そういう気概が必要になってくるかと思います。

それでも専門職だけが会社にとって大事なわけではない

ここまではプロ人材の話をしましたが、京セラの稲盛さんが言われているようにお城の石垣は大きい石だけではだめで、小さい石も協力して初めて強固な城ができると言っています。一般事務とか、定型業務、バックオフィス業務に関してはまた、別の観点から見なければいけません。真面目にこなす。これも重要な職業です。要は将来の自分のあるべき姿を見据えて職業生活を自らデザインしていくということが重要なのだと思います。

サラリーマンをしながら副業するという考え方ってどうなん?

私は個人的には近年の大企業による副業奨励の風潮はあまり賛同できません。なぜなら、前出のプロになるために仕事をしている人がそれと関係ない仕事に力を分散させることはよほど能力のある人を除いて難しいのではないかと思えるからです。確かに器用な人は居るので、そういう人は2つでも3つでも掛け持ちの仕事をすれば良いし、それにより見識が広がり、将来が開けるのかもしれません。しかし、一般的な能力の人が複数の仕事をこなすのは至難の業です。私には無理です。まして収入を補うため副業で時給アルバイトを掛け持ちするのは、問題があります。

やるなら本業に役立つことについて空いた時間に勉強することです。その知識をもとに、今働いている会社で新しいことにチャレンジさせてもらえば良いことです。やりたい仕事をやっていれば、時間なんてあまり意味がありません。推奨はしませんが、徹夜でもなんでも苦にならないのではと思います。会社がそういうチャレンジをさせてくれないなら、その時は転職の時です。副業なんてやっている暇は無いのではないでしょうか。

後日談

この記事を書いた後、いろいろな事例を見聞きしたところ、確かに副業がプラスに働くケースもあるようです。社会的な活動を本業とは別に行うケースです。例えばマーケティング部門の社員が、週に一度、地方自治体の広報支援の仕事を受けるとかです。このような場合、本人のスキルレベルの向上も期待できますし、自治体にとっても強力な助っ人が来ることにより、事業は進むことが考えられます。ケースバイケースであると考えます。ただ、凡人の私には難しいですし、多くのビジネスマンも同じじゃないでしょうか。とにかく「副業できる人はすごい、やるべきだ。」というメディアに踊らされず、自分の意志を持って職業人生を全うする。これが重要なのではと思います。